BNP Paribas デビスカップ2008 アジアオセアニアゾーン『フィリピン 対 日本』 :デビスカップ記事
2008年2月8日
シングルス1:添田豪 vs. パトリック・ジョン・ティエロ

- 添田 豪
- 6-1
- 4-6
- 6-2
- 2-6
- 6-4
- パトリック・ジョン・ティエロ
大事な初戦、フィリピンは風邪のエリク・タイノに代えて22歳のティエロを起用してきた。ATP最高777位(07年3月)、今はランキングを持っていない選手だ。失うもののない若手は、ホームの大声援を背に添田にぶつかってきた。

第1セットを見た限りでは、この相手に怖さは感じられなかった。しかし第2セットに入ると、ティエロが開き直ったように攻撃を仕掛けてくる。添田はそれを受けて立つ形になった。「相手に合わせてしまい、先に仕掛けることができなかった」と添田。主導権を明け渡し、4−6でセットを失う。それでも、第3セットに入ると添田も立て直し、再び試合をコントロールした。これで流れは添田と思われたが、第4セットは先にサービスを落とし、2−6。蒸し暑さと緊張感のなか、相手の全力のショットに対応していた添田の脚は、けいれんを起こしかけていた。
立ち上がりは楽勝ムードが漂った試合は、ファイナルセットに突入した。両者サービスキープで3−3。次の第7ゲームが分岐点だった。ティエロがミスを続け、添田がブレーク。ここへきて相手の若さ、もろさが出た形だ。アップダウンの激しい試合だったが、これ以上、流れが変わることはなかった。6−4でファイナルセットを制した添田は、ラケットを放り投げ、両手を突き上げた。その姿からは、タフな試合から解放された安堵感が読み取れた。
ランキングなしの選手に対し、5セット、3時間を超える大苦戦。竹内監督は「ランキングがないのは、環境に恵まれないからで、力はある」と相手の力量を評価した。また、ランキングだけでは試合の行方を予想できないのがデ杯の怖さ、アウェー戦の怖さだ。
「内容はよくないが、勝たなくてはいけない試合だったので、勝てたことは大きい」と添田。競り合いを抜け出せた要因は「(昨年の)ルーマニア戦、(一昨年の)タイ戦でのウドムチョクとの試合など、デ杯で接戦を経験してきたので、相手より余裕があった」。ワールドグループ入れ替え戦のルーマニア戦では、シングルスで2敗。チームの逆転負けの責任を背負い込み、その後しばらくは「屈辱の日々」だったという。「同じことは絶対したくなかった。今日は絶対勝ちたかった」と添田。悔しい敗戦を糧に、今度はチームに貴重な白星をもたらした。
日本テニス協会広報委員会委員・フリーライター 秋山英宏
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